
オリーブオイルを知るのに、訓練された味覚は必要ありません。小さなグラスと手の温もり、そして少しの注意があれば十分です。
印象的な言葉を探したり、点数をつけたりすることが目的ではありません。そこにあるものに気づき、自分がどんな味を好むのかを知ることです。
はじめに
グラスを温める
清潔な小さなグラスに、オイルを大さじ1ほど注ぎます。お猪口、エスプレッソカップ、脚のないワイングラスでも構いません。片方の手のひらで上を覆い、もう一方の手で底を1分ほど包みます。
少し温めると、オイルから香りが立ち上がりやすくなります。温度計は必要ありません。手の温もりで十分です。
コーヒー、味の強い食べ物、ガムの直後は避けましょう。香水などの香りも妨げになります。複数を比べるなら、穏やかなものから力強いものへ進みます。
香る
最初の印象を信じる
上を覆ったままグラスをゆっくり回し、内側にオイルを広げます。手を外して鼻へ近づけ、ゆっくり2〜3回香りを吸い込みます。
何を思い浮かべますか?
刈った草、トマトの葉、ハーブ、アーティチョーク、りんご、柑橘の皮、アーモンド、熟した果実を感じるかもしれません。香料ではなく、品種、土地、熟度、収穫が形づくるオリーブ本来の個性です。
こうした香りは、まとめて「 フルーティーさ」と表現されます。青々とした葉のように感じることもあれば、やわらかく熟した果実のように感じることもあります。どちらかが優れているのではなく、それぞれが異なる個性を伝えています。
そして色は気にしないでください。濃い緑だから新鮮、上質とは限りません。プロも見た目に判断を左右されないよう、色付きのグラスを使います。
味わう
三つの感覚に気づく
少量を口に含み、舌の上にゆっくり広げます。唇のすき間から少し空気を吸い込みましょう。少し不思議に感じますが、口から鼻へ香りが抜けやすくなります。
果実味
オリーブの新鮮な香りと味わい。草、ハーブ、花、熟した果実、あるいはその間にある印象です。
苦み
舌に感じる心地よい輪郭。より青い実からつくられたオイルで強く感じることがあります。
辛み
口や喉に広がる胡椒のような刺激。生き生きとしたオイルでは、思わず一度咳が出ることもあります。
苦みと辛みは欠点ではありません。どちらもエキストラバージンオリーブオイルのよい特性です。穏やかでも力強くても、香りとどう調和しているかが大切です。
見極める
強さではなく、調和を見る
力強いオイルが、繊細なものより優れているとは限りません。よいオイルは、香り、苦み、辛みのある余韻がひとつにつながっています。
- 香りは澄んで、みずみずしいですか?
- 味わうほどに、風味が広がりますか?
- 苦みと辛みは自然に現れますか?
- 余韻はきれいに続きますか?
長いテイスティングノートは必要ありません。「爽やかで、青々しく、少しスパイシー」。それだけでも十分に役立ちます。
鮮度を失ったオイルの味は?
酸化したオイルは、古いナッツや蝋、クレヨンを思わせることがあります。かび臭さは湿った戸棚や土のように感じられ、重い発酵臭は搾油前の実の保管状態に由来する場合があります。これらは好みの違いではなく、認められた欠陥です。
合わせる
次は、料理と味わう
そのまま味わえば、オイルの個性が見えます。料理と合わせれば、その役割が見えてきます。
繊細で熟した味刺身、豆腐、白身魚の蒸し物、ご飯、穏やかな味の野菜。
爽やかで青々しい味トマト、葉野菜、そば、魚のグリル、柑橘のドレッシング。
力強くスパイシーな味肉のグリル、豆、きのこ、熟成チーズ、温かなパン。
果実味が主役ヨーグルト、柑橘、バニラアイス、ダークチョコレート。
これはルールではなく、出発点です。同じ料理に二つのオイルを試し、ひと皿がどう変わるか感じてみるのが、いちばんシンプルな実験です。
シンプルに
五行で書くテイスティングノート
- 最初に感じた香り
- 青い、熟した、またはその中間
- 苦みの強さ
- 辛みの強さ
- 合わせてみたい料理をひとつ
複数のオイルを比べるときは、少量のりんごと常温の水で、次の試飲の前に口を整えます。
よいテイスティングは、点数で終わらない。次の食卓のアイデアで終わる。

